2014.07.23 (Wed)
バンドの音量あれこれ

ふと見かけた、とあるPAさんのコメント。
的を得ている。
特に前半は、自分も20年の経験のなかで大いに悩み痛感してきたこと。
ドラムは音のデカいアコースティック楽器ですが、
シチュエーションごとに、求められる音量は異なるので、
熟練ドラマーさんは皆、力加減をうまいこと調節しながら叩いています。
これは、
当たり前のように求められるのですが、今更ながら本当に難しい。
もっと言うと、
"良い音"のまま、音量調節できるドラマーは・・・本当に少ないです。
私の場合、
いちばんデカい音を出していたのは、ハードロックやってたとき。
西九条ブラン・ニューで。
もう、力づくで(笑)
なのに、5組ぐらいの対バンの中でいちばん音小さいの、僕。
いちばん小さい音でやってたのは、ジャズでバイショーしてたとき。
鳴尾浜のP4というバーで。
バンドのすぐ隣にテーブルがあって、客がメシ食ってんの。その会話を妨げてはいけないんです。
演奏は全部ブラシで、そーっと、そーっと。
ダイナミクス、1%~10%の間で音楽を作るような現場。
で、ポップスのライブだったら普通にやるじゃないですか。
そしたら、
1人の客が「スネア、もっといかんかい!」って怒ってくるわけ。
また別の客は「ドラム、やかましい!」って、怒ってくるわけ。
同じ演奏を聴いてんのにね?(笑)
悩みましたね~、良い経験になりました。
それからというもの、
いろんな種類の現場で、たくさんのプレイヤー、PAさんに音量の考え方を教示してもらいました。
マイクやEQでは、音の"張り"は変えられないこと、
樋口さんでもスタジオでは抑えていること、
抑えたなりの鳴らし方があること、
ジャズというても、ビッグバンドのドラムはかなりのパワーが必要なこと、などなど・・・
そうして辿り着いた答えは、冒頭の文章とほぼ同じ。
「音がデカすぎて帰っちゃうお客さんと、デカいのを期待してるお客さん、どっちが大事かはバンドが決めること」
正解のないような、芸術のことは自分に従うのが正解。
どのみち、他者の好みは錯綜している。
その上で、
自分の本心でやったことなら、責任を負える。
ピンとこない要求にピンとこないまま応じるのは、どうも誠実じゃないように思う。
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